2008 Fiscal Year Annual Research Report
アナログASICを用いた次世代厚型CCD検出器システムの開発
Project/Area Number |
20549005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
平賀 純子 The Institute of Physical and Chemical Research, 牧島宇宙放射線研究室, 基礎科学特別研究員 (00446527)
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Keywords | CCD / ASIC / 電荷雲形状 / 偏光 |
Research Abstract |
本研究は、近年放射線検出器分野で発展しつつあるアナログASICを用いたCCD検出器システムの新規開発を目的としている。CCDの弱点である時間分解能を格段に上げることが、アナログASICをCCDに用いる狙いの一つである。これが実現できれば、一光子直接検出器型CCDを放射光施設などのような高輝度X線に対しても活用できるかもしれない。本年度は、我々独自のアイディアで実現した、微細マルチコリメータを用いた実験手法を放射光施設における偏光X線に適応する実験を試みた。この手法に依り、CCD内部での偏光したX線光子が生成する電荷雲形状を実測できれば、X線CCDを偏光検出器として利用できる可能性を実証するものである。このため、放射光施設での実験実施のために必須の、真空槽内使用可能な回転ステージを購入した。実験実施の結果、縦方向に伸びたビーム形状の撮像、エネルギー分解能220eV(17.5keV)のスペクトル取得に成功したこ電荷雲形状を導出するためのデータ解析は現在進行中である。これと並行して、新しい真空チェンバーの立ち上げ準備を行った。これは、アナログASIC基盤をマウントすることを目的としており、真空槽内にビデオ信号処理、ADC回路等が入るため、回路にアクセスしやすい構造を取っている。また、新規に導入したチェンバーでは、これまでのペルチェ素子を用いた冷却系とは異なり、一段スターリングクーラーを用いた冷却系を組み込んだ。次世代X線天文衛星搭載CCDでもスターリングクーラが冷却系としそ採用されることが決まっている。新しい冷却システムの構築、並びに性能評価を来年度行う予定である。
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Remarks |
基盤C
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