2009 Fiscal Year Annual Research Report
アナログASICを用いた次世代厚型CCD検出器システムの開発
Project/Area Number |
20549005
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
平賀 純子 The Institute of Physical and Chemical Research, 牧島宇宙放射線研究室, 基礎科学特別研究員 (00446527)
|
Keywords | CCD / ASIC / X線 / 偏光 / GPGPU |
Research Abstract |
本研究は、近年放射線検出器分野で発展しつつあるアナログASICを用いたCCD検出器システムの新規開発を目的としている。本年度は、新しいCCD駆動/読み出しシステムにおける、さまざまな部分の開発に着手した。まず、新しい真空チェンバーの立ち上げ準備を行った。これは、アナログASIC基盤をマウントすることを目的としており、真空槽内にビデオ信号処理、ADC回路等が入るため、回路にアクセスしやすい構造を取っている。また、新規に導入したチェンバーでは、これまでのペルチェ素子を用いた冷却系とは異なり、一段スターリングクーラーを用いた冷却系を組み込んだ。次世代X線天文衛星搭載CCDでもスターリングクーラが冷却系として採用されることが決まっており、衛星搭載品の基礎性能評価にも有用である。今年度、真空冷却能力が確認できたので、今後ヒーターを利用した温度コントロールシステムの構築を目指す。また、駆動用デジタル回路部分については、世界的に標準化が行われている宇宙機用通信インターフェース(I/F)規格であるSpaceWireを用いて構築するため、SpaceWire I/Fが搭載されたSpaceCubeと汎用デジタルI/Oボードを購入した。現在、動作テストの段階である。並行して、我々独自のアイディアで実現した、微細マルチコリメータを用いた実験手法を放射光施設における偏光X線に適応する実験を試みた。この手法に依り、CCD内部での偏光したX線光子が生成する電荷雲形状を実測できれば、X線CCDを偏光検出器として利用できる可能性を実証するものである。データ解析の際に有用となる並列計算を実装するために、GPGPU(汎用グラフィック演算機)を用いてパーソナルコンピュータによる並列計算の実現も行った。
|