2009 Fiscal Year Annual Research Report
光圧誘起分子集合形成に基づく蛋白質の結晶作製の研究
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20550002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坪井 泰之 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 准教授 (00283698)
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Keywords | 共焦点顕微鏡 / アルギニン / 光ピンセット / 近赤外レーザー / ヘム蛋白質 / シトクロム / ミオグロビン / 放射圧 |
Research Abstract |
蛋白質の結晶作成に向け、最初の第一歩はレーザー集光位置に蛋白質部分子を捕捉・集合させることである。このような分子捕捉、つまり溶液中において分子を空間的に自在に操作することは、永年の化学者の夢であった。 有力なアプローチの一つは、数10μm~数10nmの微粒子を操作できる、光ピンセットである。 本年度は光ピンセットを用いたヘムタンパク質(ミオグロビン、シトクロムc)およびアミノ酸の捕捉・集合(分子マニピュレーション)について研究を行なった。今年度の成果は以下のようにまとめられる。 (1)アミノ酸の光捕捉に成功:アルギニンの重水溶液に1064nmレーザーを集光照射したところ、条件の最適化けと光学系の工夫により、焦点位置にアルギニンの分子集合体を形成(捕捉)することに成功した。また、その振動スペクトルの計測にも成功し、強い光電場中の分子配向も示唆された。 (2)ヘム蛋白質の光捕捉制御に成功:ヘム蛋白質の近赤外部の光吸収は、水溶液のpHにより変化する。これを利用し、pHを変化させることにより、ヘム蛋白質の光捕捉挙動のon-off制御を明確に示すことに成功した。すなわち、従来実験的な確証が極めて乏しかった「光共鳴型のナノ粒子補足」を明確に示すことに成功した。
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Research Products
(9 results)