Research Abstract |
pt(310)電極は火炎溶融法を用いて,直径1mmの白金線から自作した。面方位を合わせた後,ダイヤモンドスラリーで機械研磨し,面出しを行った。酸素/水素炎中のアニールによって,研磨歪を除いた。表面構造が原子レベルで規制されていることは,0.5M硫酸中でボルタモグラムの水素波を観測することで,確認した。 表面X線回折(SXD)を用いて,CO酸化活性の高いPt(310)=3(100)-(110)面の実構造を,0.1MHClO_4中,0,50V(RHE)で決定した。(H,K)=(1,1)(1,-1)(0,1)(0,-1)(1,3)(1,-3)(-2,3)(-2,-3)(2,0)のロッドを測定した。裸のPt(310)面の各ロッドは・表面が再配列していない(1×1)構造のモデルで,最もよく再現できた。表面第一層と第二層の層間隔d_42もバルクと大差なかった。 吸着CO存在下での実構造を決定するため,メタノールを解離吸着させることにより,Pt(310)面にCOを吸着させた。赤外反射スペクトルのCOバンド強度を用いて,COの被覆率を評価したところ0.88となった。このことから,Pt(310)上にCOは飽和吸着していることが確認された。吸着COが飽和吸着した状態で得られたロッドは,裸のPt(310)と同じ構造モデルでよく再現できた。このことは,吸着COはPt(310)表面に全く影響を及ぼさないことを示す。この結果は,COの吸着により層間隔が拡大するPt基本指数面の結果と異なる。表面構造が(1×1)であることが証明されたため,吸着CO酸化の活性サイトはキンク構造であることが確認された。
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