2010 Fiscal Year Annual Research Report
光周波数コムと高フィネス光共振器を併用した超高分解能・超高感度レーザー分光計測
Project/Area Number |
20550028
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
御園 雅俊 福岡大学, 理学部, 准教授 (40314471)
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Keywords | 高性能レーザー / 超精密計測 / 量子エレクトロニクス / 光源技術 / 環境技術 |
Research Abstract |
本研究の目的は、光周波数コムの利用による超高分解能特性と、高フィネス光共振器の利用による超高感度特性とを併せ持った分光計測システムを構築し、多原子分子の電子・振動・回転スペクトルを精確に測定することによって、電子励起状態におけるダイナミクスを解明することである。具体的には、環境汚染物質や生体分子の基礎となる多原子分子の電子励起状態について、状態間摂動、項間交差、分子内振動エネルギー再分配等の興味深い現象の詳細を解明する。 今年度は、分光光源である色素レーザーの更なる安定化を行った。光周波数コムのモードに色素レーザー周波数を安定化し、より安定かつ連続的に掃引できるようにシステムの最適化を試みた。一方で、このような安定化が困難な波長領域に対応する方法の検討も行った。色素レーザー光の周波数を光周波数コムの周波数に安定化することなく掃引し、両者の間のビートを測定することによって、色素レーザー光周波数の精確な決定を試みた。ビート信号を高周波フィルター等を通した後、周波数カウンターによってその周波数を読むシステムを構築した。これらのシステムの安定化、周波数掃引、ビート周波数測定、分光データ取得など、分光計測実験に関わるすべての制御・データ取得をコンピューターを用いて自動的に行うシステムを製作した。
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