2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規ビス(2-エチニル-3-チエニル)アレーン系スペーサーの開発と相互作用研究
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20550030
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
豊田 耕三 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (50217569)
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Keywords | 分子建築 / 人工酵素 / 配位子 / 金属錯体 / 錯体触媒 / スペーサー / 高分子 / 有機典型元素化合物 |
Research Abstract |
前年度(平成20年度)の研究において、側鎖を保護した形ではあるが両親媒性型の-エチニル-3-チエニルアレーン(以下ETArと略す)連結系を合成することができたことから、平成21年度は、より高次な構造・機能を持った誘導体の合成と、その性質の評価を目指した。即ち、主鎖の構成要素となる極性リンカーと、異種の側鎖置換基の配列を制御した形の誘導体を合成した。側鎖置換基としては疎水性コア部分にフェニル基、親水性ループ近傍にホスフィニル基を導入し、合成した誘導体の性質について検討した。また水および界面活性剤を加えた場合の挙動についても検討した。次に主軸延長用の補助スペーサーとして、3-エチニルチエノ[3,2-b]チオフェン型補助スペーサーとベンゾチオフェン型補助スペーサーをデザインし、それぞれの開発・導入に成功した。これにより、生体膜の疎水性部分の厚みに相当する長さの主軸を持ち、側鎖の種類と配列を制御した疎水性ETArカラムを構築することが可能になる。また、側鎖に種々の置換基を導入する試みは継続して行っており、新たにナフチル基やメクノアヌレンなどを導入した誘導体を合成し、その性質に関する知見を得た。この段階で、1-ナフチル置換体の単結晶を得ることに成功し、X線結晶構造解析によりETAr誘導体として初めて結晶構造に関する知見を得ることができた。ここで得られた構造パラメータは今後の分子設計に役立つものであり、研究全体は、本研究着手後に発案したアイデアの実現も含めて、当初計画を上回る速度で順調に展開している。
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Research Products
(5 results)