2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子スイッチへの展開を指向したフラーレン系インターロック化合物の創製
Project/Area Number |
20550031
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中村 洋介 Gunma University, 大学院・工学研究科, 教授 (60261864)
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Keywords | フラーレン / ロタキサン / カテナン / 分子スイッチ / 超分子 |
Research Abstract |
本年度は、中央にドナー部位を含み、両末端にフラーレンが結合した軸化合物とアクセプター部位を有する環状化合物からなるロタキサンの合成に取り組んだ。軸化合物のドナー部位としてはテトラチアフルバレン(TTF)、ビチオフェン、1,5-ジアルコキシナフタレン等を用い、軸化合物の両末端にはフラーレンと結合するための官能基として水酸基を導入した。一方、環状化合物のアクセプター部位としてはナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(NpI)を用い、2つのNpI部位を種々の架橋鎖で連結した化合物を調製した。 ロタキサンを得るためには、軸化合物と環状化合物の間で錯形成、すなわち擬ロタキサンの形成が必要であるので、擬ロタキサン形成について1HNMRにより検討した。その結果、テトラエチレングリコール鎖や炭素原子数12からなるオリゴメチレン鎖で架橋された環状化合物1a,1b(n=12)を用いた場合、いずれの軸化合物とも擬ロタキサンの形成は認められなかつ、たが、一方、炭素原子数6からなるオリゴメチレン鎖で架橋された環状化合物1b(n=6)を用いた場合は、いずれの軸化合物とも擬ロタキサンの形成が認められた。そこで現在、種々の軸化合物とカルボキシ基を有するフラーレン誘導体のエステル化反応を、環状化合物1b(n=6)の存在下、低温で行うことにより、ロタキサンの合成を検討している。 また、現在、アクセプター性の異なる2種類のアクセプター部位を含む軸化合物とドナー部位を有する環状化合物からなるロタキサンの合成についても検討している。
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