2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子スイッチへの展開を指向したフラーレン系インターロック化合物の創製
Project/Area Number |
20550031
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中村 洋介 Gunma University, 大学院・工学研究科, 教授 (60261864)
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Keywords | フラーレン / ロタキサン / カテナン / 分子スイッチ / 超分子 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、中央にドナー部位を有し、少なくとも一方の末端にフラーレンが結合した軸化合物とアクセプター部位を有する環状化合物からなるロタキサンの合成をさらに推進した。軸化合物のドナー部位としてはテトラチアフルバレン(TTF)、ビチオフェン、1,5-ジアルコキシナフタレン等を用い、軸化合物前駆体の両末端にはヒドロキシ基を導入し、ロタキサン合成の際にカルボキシ基を有するフラーレン誘導体と反応させることとした。一方、環状化合物のアクセプター部位としてはナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(NpI)を用い、2つのNpI部位を種々の架橋鎖で連結した化合物を調製した。 ロタキサンの合成に先立ち、軸化合物前駆体と環状化合物の間での錯形成、すなわち擬ロタキサンの形成についてNMRにより検討した。その結果、2つのNpI部位が炭素原子数6のオリゴメチレン鎖で架橋された環状化合物1(n=6)が擬ロタキサンの形成に適切であることが分かった。そこで、種々の軸化合物前駆体とカルボキシ基を有するフラーレン誘導体のエステル化反応を、環状化合物1(n=6)の存在下、低温で行ったところ、ドナー部位として1,5-ジアルコキシナフタレンおよびTTF部位を有し、両末端にフラーレンを有するロタキサンの合成に成功した。これらのロタキサンは、NMRおよび質量分析により同定した。現在、反応条件の検討により収率の向上を図るとともに、分子スイッチへの展開を目指して、2種類のドナー部位を含む軸化合物とアクセプター部位を有する環状化合物からなるロタキサンの合成についても検討している。
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