2009 Fiscal Year Annual Research Report
炭素-塩素結合切断を鍵とする高選択的有機合成反応の開発
Project/Area Number |
20550036
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
西井 良典 Shinshu University, 繊維学部, 准教授 (40332259)
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Keywords | 高立体選択的 / 高位置選択的 / 不斉変換 / ベンズアヌレーション / 環拡大反応 / シクロプロパン / 炭素-塩素結合切断 / 軸不斉 |
Research Abstract |
1)ジクロロシクロプロパンの高立体選択的C-Cl結合変換反応の開発 申請者は、昨年度、C-Cl結合の高立体選択的な変換反応としてSml_2を用いるReformatsky型C-C結合形成反応を見いだし報告した(Org.Lett,2008,10,5453.)。昨年度は、この反応の詳細な反応機構の解明と有用有機化合物合成への応用を行った(Chem.Lett.2009,38,1079-1080. open access article.)。 2)光学活性ジクロロシクロプロパンの特徴を生かした不斉変換ipso-型ベンズアヌレーション 申請者らが見いだした不斉変換ベンズアヌレーション(J.Am.Chem.Soc.2004,126,5358-5359.)ならびに、極最近見いだした異常な高位置選択的ipso-型ベンズアヌレーションの二つの反応をさらに展開した。昨年度は、これらの反応の詳細な反応機構の解明を行い、一般性について検討した。これらについては現在投稿準備中である。 3)軸不斉天然物Procumphthalide Aの全合成 さらに、2)の反応を鍵反応としてProcumphthalide Aの最初の全合成を達成した(現在投稿準備中)。また、コンピュータによる軸不斉構造の計算も行った。 4)ジクロロシクロプロパンの特徴を生かしたジヒロドナフタレンの合成 Sc(OTf)3を用いることによりエステル官能基を有するシクロプロパンカルボン酸エステルの環拡大反応が進行し、ジヒドロナフタレンを高収率で与えることを見いだした。(Chem.Lett.2010,39,194-195. open access article.)この反応を鍵反応として不斉転写を含むジヒドロナフタレンリグナンラクトンの全合成へ応用できる。
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Research Products
(7 results)