2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規な光捕集アンテナ機能を有する三次元分子フォトダイオード素子の創出
Project/Area Number |
20550038
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
迫 克也 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (90235234)
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Keywords | 分子フォトダイオード / シクロファン / 集積型ドナー / 分子内電荷移動 / 光誘起電子移動 / 分子ダイオード(分子整流器) / 電荷分離状態 / マイクロ波有機合成 |
Research Abstract |
本研究では、剛直な基本構造シクロファンにドナー(D)、光増感前駆体(preS)、アクセプター(A)を三次元的に配置した基本ユニットであるD-preS、preS-A系pre-分子フォトダイオードを開発し、ポリピリジン金属錯体化により光増感部(S)が構築可能なD-S-A三元系分子フォトダイオードデバイスを創出することを目的としている。 剛直な基本構造シクロファンにドナー(D)、光増感前駆体(preS)、アクセプター(A)を三次元的に配置した系を評価する上で、ドナー(D)、光増感前駆体(preS)、アクセプター(A)を共平面上(二次元的配置)に配置した二次元preS-D系及びpreS-A系分子の開発が必要となる。 ポリピリジン金属錯体化のための高い金属配位能を有するジアザフルオレンとアクセプター(A)部にジシアノエチリデン(dicyanoethylidene)及びシアノ酢酸ユニット(cyanoethoxycarbonylethylidene)を共平面上に配置した二次元preS-A系分子の合成に成功した。アクセプター(A)部にシアノキノエチリデンを導入する反応では、マイクロ波及び超音波を用いることで、従来の熱反応によりも反応時間を大幅に短縮でき更に収率も高収率な合成ルートが確立できた。合成したpreS-A系は、弱い分子内電荷移動相互作用が存在することが、電子スペクトルの結果より明らかになった。現在二次元preS-A系分子とのルテニウム(II)錯体を合成し、その電気化学的及び分光学的物性についても詳細を検討中である。 また、剛直な基本構造であるパラシクロファンにドナー(D : 1, 3-dithiole-2-ylidene (DT)、2-methylidene-1, 3-dithiolo[4, 5-d]-tetrathiafulvalene(DT-TTF))あるいはアクセプター(A : dicyanoethylidene、cyanoethoxycarbonylethylidene)を選択的に導入することに成功した。
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