2008 Fiscal Year Annual Research Report
エテントリカルボン酸エステルの高い反応性を利用した新規合成反応の開発
Project/Area Number |
20550041
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
山崎 祥子 Nara University of Education, 教育学部, 教授 (50182481)
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Keywords | エテントリカルボン酸エステル / トリフロロメチル基 / プロパルギルアルコール / シクロブタン / 2-エチニルアニリン / キノリン / インドール / ルイス酸 |
Research Abstract |
エテントリカルボン酸エステル誘導体1とプロパルギルアミン、プロパルギルアルコールとの亜鉛などのルイス酸触媒によって促進される環化付加反応でピロリジン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体を得る効率的結合形成反応を最近見出した。本反応の詳細及び発展を検討した。 1)生物活性などから興味深いトリフロロメチル(CF_3)基を導入し、置換基、ルイス酸の効果を検討した。エテントリカルボン酸誘導体1とγ-CF_3置換プロパルギルアルコールのルイス酸触媒による付加環化反応を調べた。臭化亜鉛ではCF_3置換テトラヒドロフランが得られ、プロパルギルアルコールとの反応と同様の反応性を示した。CF_3基は電子求引基として閉環反応を活性化していると思われる。様々なルイス酸を検討した。その中で、1とγ-CF_3-α-フェニルプロパルギルアルコールとの塩化スズ1等量での反応で、シクロブタン誘導体を29-33%で主生成物として得た。プロパルギルアルコールと塩化スズで生成するクロロアレンと1との[2+2]環化付加反応によると考えられる。さらに、1と種々のγ-CF_3-α-アリールプロパルギルアルコールとの塩化スズとの反応で、シクロブタン誘導体を39-49%の収率で得た。 2)エテントリカルボン酸誘導体とプロパルギルアミンの1炭素伸長誘導体と考えられる2-エチニルアニリンの亜鉛触媒による付加環化反応で、生物活性的に重要なキノリン骨格をもつ誘導体を得ることを試みた。その結果、エテントリカルボン酸1,1-ジエチル2-t-ブチルと2-トリメチルシリルエチニルアニリン誘導体の亜鉛トリフラート触媒下の反応で橋掛けキノリン誘導体が43-85%で得られた。^tBu基とTMS基は反応条件下で、失われたことがわかる。また、1と2-アミノアセトフェノンとの反応でも橋掛けキノリン誘導体が41%の収率で得られた。橋掛けキノリン誘導体は加熱で脱炭酸しインドール誘導体に変化することがわかった。
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