2010 Fiscal Year Annual Research Report
エテントリカルボン酸エステルの高い反応性を利用した新規合成反応の開発
Project/Area Number |
20550041
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
山崎 祥子 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (50182481)
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Keywords | エテントリカルボン酸エステル / ルイス酸 / アミノアセタール / ピペリジン / ピロリジン / アレン / ケトマロン酸エチル / インデン |
Research Abstract |
効率的結合形成反応の探索は、有機合成化学において、重要な課題である。ルイス酸などの活性化による結合形成反応で効率よく有用物質を合成する反応の開拓を行った。 1)含窒素5,6員環骨格をもつ化合物は、生物活性的に重要で、その合成法の開発は興味が持たれる。アミノアセタールは、保護されたアミノアルデヒドで有用な反応剤であり、アミノ基で求核試薬として、アセタール基でルイス酸による活性化により求電子試薬として反応すると考えられる。本研究ではアミノアセタールと反応性の高い共役付加受容体であるエテントリカルボン酸エステルのルイス酸触媒によるワンポットでの環化反応を調べた。3-アミノプロピオンアルデヒドジエチルアセタールとエテントリカルボン酸エチル(1)を1等量のTiCl_4存在下室温で反応させたところ、2-ピペリジンカルボン酸誘導体が92%の収率、2,4-ジアステレオマー比1:1で得られた。一方、3等量のTiCl_4存在下室温で反応させたところ、2,4-trans-2-ピペリジンカルボン酸誘導体が86%の収率でジアステレオ選択的に得られた。アミノアセトアルデヒドジエチル(ジメチル)アセタールと(1)を3等量のTiCl_4存在下反応させたところ、プロリン誘導体である2,4-trans-2-ピロリジンカルボン酸誘導体が主生成物として得られた。 2)アレンは、その構造的特徴から有機合成的に興味深い化合物であり、種々の合成反応に用いられている。前年度の研究で、ルイス酸触媒によるアリールアレンとエテントリカルボン酸エステルの共役付加-環化反応で、インデン誘導体を得ることを見出した。今年度の研究では、ルイス酸触媒によるアリールアレンとケトマロン酸エチルとの付加-環化反応を調べた。塩化スズ存在下-40℃、ジフェニルアレンとケトマロン酸エチルとの反応で、ヒドロキシマロン酸インデン誘導体が56%の収率で得られた。
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