2008 Fiscal Year Annual Research Report
新機能開発をめざしたNMR解析法の開拓:化学シフトにおける電荷効果の評価
Project/Area Number |
20550042
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
中西 和郎 Wakayama University, システム工学部, 教授 (80110807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 聡子 和歌山大学, システム工学部, 助教 (00294306)
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Keywords | 量子化学計算 / 電荷 / エネルギー差(の逆数) / 軌道の重なり / 有機典型元素 / NMR化学シフト / ^<77>Se NMR化学シフト / 分子軌道 |
Research Abstract |
^77Se NMR化学シフトを例としてNMR化学シフトを電荷・エネルギー差(の逆数)・軌道の重なりの各寄与に分離して解析を行った。電荷(Qn:<γN^-3>)・エネルギー差(の逆数)(△ε^-1)・軌道の重なり(S)は、それぞれ、[chemical formula]に対応する。そこで、着目する原子N上のp軌道による(1/γ^3)の平均値(<γN^-3>)を各分子軌道(MO)毎に算出し、Qn(N)に関連付けることによって、化学シフトにおける電荷の寄与を評価した。MO に用いられている各ガウス関数および各スレータ軌道の間では、<γN^-3>は(<γIN^-1>)^3に比例する ことを確認した。しかしながら、実際のMOは、各ガウス関数の一次結合の形で表わされているため、修正して使用する必要があった。エネルギー差(の逆数)(△ε^-1)は、有効なσ^Pを与える各軌道間のエネルギー差の逆数の加重平均をとることによって得られた。軌道の重なり(S)の効果は、化学シフトから、Q_n(N)および△ε^-1の効果を差し引いた値として求めることが出来た。加重平均に必要な各σ^Pは、NMRANAL-NH98Gおよび-NH03G(Gaussian utility program:Nakanishi et al,CEJ2006,2007参照)を用いて算出した。これら方法により、まず^77Se NMR化学シフトについてNMR化学シフトを3つの寄与に分離して解析する方法を確立できた。
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