2010 Fiscal Year Annual Research Report
新機能開発をめざしたNMR解析法の開拓:化学シフトにおける電荷効果の評価
Project/Area Number |
20550042
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
中西 和郎 和歌山大学, システム工学部, 教授 (80110807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 聡子 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (00294306)
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Keywords | 量子化学計算 / 電荷 / エネルギー差(の逆数) / 軌道の重なり / 有機典型元素 / NMR化学シフト / 結合定数 / 分子軌道 |
Research Abstract |
NMRは極めて重要な手段であり、国内外を問わず日常的に測定・解析されている。NMRに関する論文・総説及びデータ集等が次々と出版されることからも明らかである。しかしNMR化学シフトを原理に立脚して解析することは困難である。そこで本研究では、次の3つの課題に取り組んでいる。 1.NMR化学シフトを電荷・エネルギー差(の逆数)・軌道の重なりの各寄与に分離して解析 まず^<77>Se NMR化学シフトについて確立しする。 2.1で確立した^<77>Se NMR解析法を^<17>O,^<13>C,^<19>F,^<31>Pおよび^<29>Si NMR解析法へ適用 ^<17>O,^<13>C,^<19>F,^<31>Pおよび^<29>Siの核種の特質を考慮して、解析法を確立する。 3.1および2で確立したNMR解析法を^1H NMR解析法へ適用 上記のNMR解析法を^1H核の特質を考慮しつつ、適用して^1H NMR解析法を確立する。 本年度は(1)^<77>Se NMR結合定数の完全解析と視覚化と(2)他の典型元素化合物への解析法の応用を行った。また(3)^<77>Se NMR化学シフトにおけるRelativistic Effectを詳細に評価した。 (1)の^<77>Se NMR結合定数の完全解析と視覚化は順調に行えた。(2)については^<31>P NMR結合定数の完全解析を中心に詳細を明らかにした(論文投稿準備中)。(3)についてはJ.Phys.Chem.Aに投稿したところ"This paper is publishable subject to minor revisions noted."との結果を得た。 量子化学計算には、NMRANAL-NHO3G(Gaussian utility program:Nakanishi et al. CEJ2006,2007参照)およびADF2010を用いた。
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