2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20550047
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
宇野 英満 Ehime University, 理工学研究科, 教授 (20168735)
|
Keywords | ペンタセン / 前駆体塗布法 / ポルフィリシ / ヘキサフィリン / 逆Diels-Alder反応 / OFET / テトラベンゾポルフィリン / フタロシアニン |
Research Abstract |
高共役π電子系化合物は、高機能性材料として大変興味が持たれているにもかかわらず、合成困難なため電子状態や光特性などの基本的な物性さえも測定をおこなうことが困難な化合物群である。申請者は、熱による逆Dierls-Alder反応や光による脱硫化カルボニル反応などのペリ環状分解反応によりπ電子系を融合する方法を開発した。これらの前駆体化合物は、嵩高さゆえに通常の溶媒によく溶け、π電子系も独立しており、精製が簡単な化合物である。この方法を発展させ、高純度の様々なπ電子系の融合した化合物群を合成し、その基本的な諸物性を明らかにするとともに、これまで類をみないπ電子系化合物の創出を目指した。以下に今年度の主な成果を上げる。 (1) 長いアルキル鎖を有し、X字型にπ電子系が融合したポルフィリン五量体を合成し、結晶構造、会合挙動および電子状態とUVスペクトルとの関係を明らかにし、論文として発表した。 (2) ペンタセンのDiels-Alder付加体およびこれらの誘導体を合成し、光および熱挙動を検討した。硫化カルボニル付加体については塗布法によるOFETデバイスを作成し、3.0x10-2cm^2V^<-1>s^<-1>の移動度を得た。本成果については論文投稿中である。 (3) ビシクロ[2.2.2]オクタジエン(BCOD)を環中に組み込込んだNC混乱型フロリンの合成に成功した。このフロリン誘導体は、π系が非環状であるにもかかわらず、環状のポルフィリン様の電子スペクトルを示した。現在、電子状態の解明を行うとともに、BCOD環をベンゼン環に変換する条件を検討中である。 (4) ビシクロ[2.2.1]ヘプタジエン-7-オン縮環のピロールを合成したところ、室温でも容易にキレトロピー分解反応を起こすことを見出した。この構造を組み込んだ化合物を合成することで逆Diels-Alder反応ではできなかった新しいπ電子系の創出を目指している。
|
Research Products
(36 results)
-
[Journal Article] Highly Pure Synthesis, Spectral Assignments, and Two-Photon Properties of Cruciform Porphyrin Pentamers Fused with Benzene Units2010
Author(s)
H.Uoyama, K.S.Kim, K.Kuroki, J.-Y.Shin, T.Nagata, T.Okujima, H.Yamada, N.Ono, D.Kim, H.Uno
-
Journal Title
Chem.Eur.J. 16
Pages: 4063-4074
-
-
-
[Journal Article] Thermal Behabior of Bicyclo[2.2.2]octadiene-Installed Precursors for 2H-Anthra[2,3-c]pyrroles and Anthra[2,3-c]thiophene2010
Author(s)
H.Uoyama, C.Chenxin, H.Tahara, Y.Shimizu, H.Hagiwara, Y.Hanasaki, H.Yamada, T.Okujima, H.Uno
-
Journal Title
Heterocycles 80
Pages: 1187-1196
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
[Journal Article] First Synthesis of meso-Chlorinated Tetrabenzoporphyrins2009
Author(s)
S.Ito, L.T.Phong, T.Komatsu, N.Igarashi, S.Otsubo, Y.Sakai, A.Ohno, S.Aramaki, Y.Tanaka, H.Uno, T.Oba, K.Hiratani
-
Journal Title
Eur.J.Org.Chem
Pages: 5373-5382
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 可溶性前駆体からのフタロシアニン類の合成と塗布変換型OFET2010
Author(s)
橋本祐介, 金光男, 吉川侑, 中村純, 酒井良正, 大野玲, 大坪才華, 荒牧晋司, 宇野英満, 山田容子, 小野昇, 奥島鉄雄
Organizer
第57回応用物理学関係連合講演会
Place of Presentation
平塚
Year and Date
20100318-20100320
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-