2010 Fiscal Year Annual Research Report
炭素ー水素結合切断を基軸とする非平面芳香族縮環分子の新合成戦略
Project/Area Number |
20550048
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
神川 憲 大阪府立大学, 理学系研究科, 准教授 (40316021)
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Keywords | C-H活性化 / ヘリセン |
Research Abstract |
本研究課題では、次世代の電子材料として注目を集めているヘリセンやセミバックミンスターフラーレンなどの非平面芳香族縮環化合物について、炭素-水素結合切断を鍵とした合成法を活用することで、短工程で効率のよい合成法を確立することを目的としている。2010年度では、光学活性なヘリセン誘導体の合成にも適用可能な方法論の開拓を目的として、新たなC-Hアリール化反応を経由するルートを検討した。その結果、まだ低収率ではあるが、C-Hアリール化反応を活用した[5]アザヘリセンの簡便な合成ルートを開発する事に成功した。アザヘリセンは、有機分子触媒としての利用が可能であり、今後ますます注目を集める化合物群である。また、本反応における出発原料を光学活性な軸不斉ビアリール化合物を用いることにより、光学活性アザヘリセンの合成に、適用可能である。今後は、収率の向上と適用範囲の拡大を目指して、さらに検討を行っていく事を予定している。
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