2008 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光性有機ケイ素化合物の開発と発光材料としての利用
Project/Area Number |
20550049
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
前多 肇 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 助教 (40295720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 一彦 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (10109879)
池田 浩 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (30211717)
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Keywords | ナフタレン / シリルエチニル基 / シラン / 吸収 / 蛍光 / 蛍光量子収率 / 発光材料 / フイルム |
Research Abstract |
よく光るケイ素置換芳香族化合物の開発とその発光機構の解明を目指して研究を行ない、以下の知見を得た。 1.ナフタレン環の1位および2位にシリルエチニル基、シリルブタジイニル基、シリルヘキサトリイニル基を導入した化合物を合成し、その吸収・蛍光特性を調べたところ、シリルエチニル基を導入した化合物の蛍光量子収率は母体のナフタレンに比べて高いものの、シリルブタジイニル基を導入すると蛍光量子収率は著しく減少し、シリルヘキサトリイニル誘導体は全く蛍光を出さないことが分かった。過渡吸収スペクトルとりん光スペクトルを測定し、三重結合の数が増加するにつれて励起三重項へと項間交差しやすくなることを確認した。この項間交差速度の増大は、面外変角振動による一重項と三重項のミキシングに起因するものと推定した。 2.ナフチルエチニル基を1〜4個有するシラン類の吸収・蛍光特性を調べたところ、ナフチルエチニル基の置換数が増えるとともに蛍光量子収率が増大した。特に、テトラキス(4-メトキシ-1-ナフチルエチニル)シランの蛍光量子収率は空気飽和下でも0.40に達することを見いだした。 3.シリルエチニルナフタレン類を用いる発光性固体材料を作製した。かさ高いシリルエチニル基を導入したナフタレン誘導体である1,4-ビス(トリメチルシリルエチニル)ナフタレンのトルエン-クロロホルム溶液にPMMAを添加し、自然乾燥を行ったところ、フイルム状の固体を作製することに成功した。このフイルムは紫外光の照射で鮮やかな青色の発光を示すことを明らかにした。
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Research Products
(6 results)