2008 Fiscal Year Annual Research Report
一次元配列された三核および五核d8金属錯体における金属金属相互作用
Project/Area Number |
20550053
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柘植 清志 Osaka University, 大学院・理学研究科, 准教授 (60280583)
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Keywords | N,S架橋 / d8-d8相互作用 / 平面白金(II)錯体ユニット |
Research Abstract |
本研究では、N, S架橋配位子とπ-π相互作用を利用することによりPt(II), Pd(II), Ni(II), Au(III)などのd^8金属中心を一次元的に配列した三核および五核分子性錯体の合成を目的としている。 本年度は、新規五核錯体の合成に向け、ピリジンジチオール配位子の合成し、{Pt(bpy)}^<2+>(bpy:2,2'-ビピリジン)との反応を試みた。その結果、[Pt(bpy)Cl_2]と加熱条件下で反応させると、二つのピリジンジチオール配位子が二つの{Pt(bpy)}^<2+>単位を架橋したと考えられる化合物が得られることがわかった。現在、架橋錯体が生成しない反応条件を検討中である。 また、新規の平面金属錯体ユニットとしてフェニルピリジナト(ppy)配位子を持つ錯体の合成も試みた。白金にppdxzyの配位した錯体ユニット{Pt(ppy)}^+は{Pt(bpy)}^<2+>に比べ酸化還元電位が低く、強い発光性を示すユニットであることが知られている。この錯体ユニットを合成し、三核錯体合成の鍵となるMcMT(2-メルカプト-5-メチル-1,3,4-チアジアゾラと)を配位子として持つ錯体の合成を試みた。[Pt(ppy)Cl_2](NBu_4)とMcMTHの反応を行ったところ、2つのMcMTが2つの{Pt^<III>(ppy)}^<2+>ユニットを架橋した白金(III)複核錯体[Pt^III_2(ppy)2(μ-McMT)_2(McMT)_2]が得られることがわかった。この錯体は新規化合物であり、現在この錯体に関する性質の解明と、{Pt(ppy)}^+単位への二つのMcMT単位の導入、および三核錯体の合成を試みている。
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