2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属錯体骨格を持つ拡張型ポリ(α-アミノ酸)の合成と2次構造構築
Project/Area Number |
20550063
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡村 高明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (90252569)
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Keywords | 超分子化 / 金属錯体 / ペプチド / 非天然型アミノ酸 |
Research Abstract |
酵素や金属蛋白質の特異な反応性は、活性部位を形成または取り囲む蛋白質の三次元的な構造に実現されていると考えられる。即ち、正確な三次元構造を正確に設計、構築する事が新しい機能へと繋がるものと期待できる。蛋白質はアミノ酸のα炭素をアミド平面が連結した比較的自由度の低い構造であるため、α炭素と窒素、カルボニルの炭素とのそれぞれの結合の二面角(φ、ψ)で、三次元構造の基本である二次構造が決定される。研究代表者は、新たな物質群としてα-アミノ酸と剛直なスペーサーを組み合わせた「拡張型ポリ(α-アミノ酸)」という概念を独自に提唱している。本研究の目的は、金属イオンを用いた拡張型ポリ(α-アミノ酸)の合理的な合成法と二次構造の構築方法の確立である。 本年度は、最も有効であったα-アミノ酸をビス(ピリジン)銀錯体で連結させる方法について、銀イオンを含まずピリジン骨格を持つα-アミノ酸の結晶構造解析を行い、銀イオンや対イオンによる構造変化を詳細に調べた。銀イオンを含まない場合は、コラーゲンやβシートに近いφ、ψとなり、L-ロイシンを用いた場合は銀イオンの有無や対イオンに依存せず同様の値となった。二次構造は左巻きの6_1らせん(6_5らせん)であった。一方、ノルロイシン、イソロイシン、バリンでは、銀イオンが存在するとα-ヘリックに近いφ、ψをとり、ジグザク構造となった。興味深いことに、バリンの場合はL体のみではジグザク構造であったが、ラセミ体では4_1らせんを形成することが明らかになった。
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Research Products
(11 results)