2008 Fiscal Year Annual Research Report
ランタン型二核錯体の連結・集積による新規機能性化合物の合成
Project/Area Number |
20550066
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
半田 真 Shimane University, 総合理工学部, 教授 (70208700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 崇久 島根大学, 総合理工学部, 助教 (00379033)
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Keywords | ポリマー錯体 / 二核錯体 / ルテニウム / ロジウム / 機能性化合物 |
Research Abstract |
二個の金属イオンと四個の二座配位子からなるランタン型二核錯体を、連結・連結集積化することで、磁性、電導性、液晶性等において、優れた性質を有する化合物を合成することを目的として研究を行った。本年度得られた結果を、以下の1および2に述べる。 1.カルボン酸架橋ルテニウム(II,III)二核カチオンの連結ポリマー錯体[Ru_2^<II,III>(O_2CR^1)_4X]∞(R^1=CH_3(CH_2)_m、R^2=C_6H_2(O(CH_2)_nCH_3)_3;X=Cl^-、OCN^-、SCN^-)を合成した。R^1=CH_3(CH_2)_mにおいて、mが大きくなるほど二核間の反強磁性相互作用が基本的には大きくなる傾向があり、無極性溶媒に可溶となり、溶液中でポリマー構造を保持していることが^1H NMRの結果より示唆された。また、R^2=C_6H_2(O(CH_2)_11CH_3)_3の場合、今回用いた架橋イオンX^-の種類に拘わらず室温で液晶性を示すことが確認された。 2.二個のN,N'-ジアルキルフェニルホルムアミジネートイオンR-pf^-と二個のトリフルオロ酢酸イオン(CF_3CO_2^-)を分子内に架橋配位子として含む二核ロジウム(II)錯体[Rh_2(R-pf)_2(O_2CCF_3)_2]において、トリフルオロ酢酸イォンのビバル酸イオン、ブタン酸イオンおよび安息香酸イオンへの置換反応を4-Mepf^-(フェニル基の4位にメチル基が導入されたホルムアミジナートイオン)の場合につき行った。目的の置換反応が進んだことを、TOF-マススペクトル、^1H NMRおよび単結晶X線解析により確認した。この結果は、テレフタル酸イオン等で置換反応させることで、Rh_2二核錯体の二、三、四量化による集積連結化合物を得るための、基礎的知見を与えた。
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Research Products
(26 results)