2008 Fiscal Year Annual Research Report
熱応答性高分子を複合化した金ナノ粒子を用いるチオール化合物のセンシング
Project/Area Number |
20550071
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
上原 伸夫 Utsunomiya University, 工学研究科, 准教授 (50203469)
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Keywords | ナノマテリアル / センサー / バイオ分析 |
Research Abstract |
今年度は,1)熱刺激による再分散を起こす金ナノコンポジット(金ナノ粒子と熱応答性高分子の組み合わせ)を系統的に探索した。その結果,ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド-co°メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル)を見出した。メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルはそれ自身が,熱応答性を持つだけでなく,第二級アミンを有するため,金ナノ粒子を凝集させるとともに,熱刺激による再分散を引き起こす。この共重合体を複合化させた金ナノコンポジットを用いて,ホモシステインの選択的色彩計測法した。 また2),ルミネッセンス特性を持つ金ナノ粒子として,粒子径が10nm以下の金ナノ粒子を合成し,熱応答性高分子との複合化について検討した。この複合体は,チオール化合物の存在下で,熱刺激により赤みを増加させることを見出した。このとき,ルミネッセンス応答には目立った変化がなかった。この知見に基づいて,共鳴励起エネルギー移動を用いるセンシングシステムの可能性を見出した。 さらに,3)チオール化合物の探索の結果,チオール化合物の持つ熱刺激による再分散を阻害する特性と自発的な再分散を促進する特性とが互いに背反する性質であることを見出した。これに基づいて,γ一GTPの活性を目視で判定する方法を開発した。この方法は特別な.装置を用いずにその場で簡便にγ-GTPの活性を判定することができる。また,チオール化合物の及ぼす影響には,チオール化合物の構造(大きさと官能基の種類)が主要因であることを明らかにした。
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