2008 Fiscal Year Annual Research Report
低濃度ゲルを用いる高性能二次元電気泳動法の開発と応用
Project/Area Number |
20550072
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小竹 玉緒 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (10301128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 欣一 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30175468)
佐伯 俊彦 群馬大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00241860)
植木 悠二 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (50446415)
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Keywords | 二次元電気泳動 / 等電点電気泳動 / 低濃度ゲル / アクリルアミド / 放射線重合 / マルチフィラメント糸 / メッシュチューブ / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
申請者らは、二次元電気泳動法(2-DE)の操作性や分離性能を向上させるため、一次元目の等電点電気泳動(IEF)ゲルとして、糸を支持体とするゲル(糸ゲル)を提案・開発してきた。糸ゲルの電気泳動分離における再現性や操作性をさらに向上させるため、今年度は以下の項目を検討した。 1.ゲルの支持体としてのメッシュチューブの性能評価 メッシュチューブは糸がチューブ状に編まれ、さらなるゲルの低濃度化と操作性の向上が期待される。そこでゲルの支持体として新たに検討したところ、1.5%Tまでの低濃度ゲルを作製できた。これまでのマルチフィラメント糸を支持体とする2.5%Tの糸ゲルと比較すると、低濃度であるため、IEFに要する時間は約20%短縮できた。また、メッシュチューブがゲルの形状を保たせやすいため、低濃度でも操作性は良好であった。 2.放射線重合法による低濃度メッシュチューブゲルの作製 重合開始剤や触媒は、タンパク質の泳動に影響を与える可能性がある。そこで重合開始剤や触媒なしで重合可能な放射線(ガンマ線)を用いた重合法を検討した。メッシュチューブを支持体として用いても、マルチフィラメント糸の場合と同様1.5%Tまでの低濃度のゲルを作製できた。ガンマ線を使用する場合、作製可能なゲルの濃度は支持体にほとんど依存しないことが示唆された。 3.糸ゲル2-DEシステムによる実タンパク質試料の分離とプロテオーム解析への適用 ラット肝臓幹様細胞抽出液を実タンパク質試料として用い、糸ゲル2-DEにより分離させた。さらに2Dゲル中で分離されたタンパク質を質量分析計で分析することにより、薬剤添加により発現量が増大するタンパク質の同定ができ、糸ゲル2-DEシステムがプロテオーム解析法として有用であることが示された。
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Research Products
(7 results)