2010 Fiscal Year Annual Research Report
カルバゾール発色団をアーキテクチャーとする超分子型リン酸イオン定量法の開発
Project/Area Number |
20550075
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
久保埜 公二 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (00269531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 邦彦 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30144554)
谷 敬太 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (60207165)
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Keywords | 環境分析 / 超分子化学 / リン酸イオン / カルバゾール |
Research Abstract |
本研究は、カルバゾール誘導体、金属イオン、リン酸イオンとの三元系超分子錯体を形成させ、これを検出化学種とする定量分析法の構築を行うものである。本年度は前年度までの成果を基にカルバゾール誘導体の再設計と合成、並びに検出化学種となる超分子錯体の生成および定量法の構築を行った。ここで、金属イオンとの配位結合やリン酸イオンと水素結合する超分子部位としてアザクラウン骨格並びにアミノフェノールを選定し、これらをカルバゾールに導入することを試み、設計通りのアザクラウノカルバゾロファン型、並びにアミノフェノール型の試薬を得ることができた。得られたカルバゾール誘導体とリン酸イオン或いは金属イオンとの相互作用について、吸収スペクトル並びに蛍光スペクトル測定を行った。なお、アザクラウノカルバゾロファン型ではアセトニトリル-THFを、アミノフェノール型ではメタノールをそれぞれ溶媒として用い、リン酸イオンの供給源はテトラブチルアンモニウム塩を用いて溶液を調整した。アザクラウノカルバゾロファン型の試薬に亜鉛イオンを添加した溶液にリン酸二水素イオンを添加すると、蛍光強度は減少するもののスペクトルは短波長シフトした。一方、アミノフェノール型の試薬の溶液に銅イオンを添加すると消光するが、これにリン酸二水素イオンを添加すると蛍光強度は増加し、蛍光強度とリン酸二水素イオン濃度(0~150nM)と比例関係が得られた。以上の結果から、カルバゾールを発色団とするリン酸イオン定量法を構築することができた。
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