2008 Fiscal Year Annual Research Report
開放系で行う環境関連微粒子の分級とその構成元素の多元素同時定量
Project/Area Number |
20550078
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡本 泰明 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 助教 (40213988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 照文 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127703)
塚原 聡 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50207338)
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Keywords | 電気加熱気化 / 誘導結合プラズマ質量分析 / 誘導結合プラズマ原子発光分析 |
Research Abstract |
ICP発光分析法やICP質量分析法で固体試料を測定する場合、試料の分解、溶解、希釈を行い、溶液試料として装置へ導入するのが常である。しかし、溶液試料は試料調製に長い時間がかかり、さらに実験室環境からの汚染も招きやすい。固体試料を直接測定装置に導入することが可能であれば、煩雑な前処理操作を必要とせず、大幅な時間短縮ができ、実験室環境からの汚染も防ぐことができる。 そこで本研究では、まず模擬試料としてプラスチック試料を溶液化することなく目的成分である鉛を直接加熱気化導入する迅速な測定方法を検討した。測定操作は自作したタングステン製のサンプルキュベットに測定対象のプラスチックの小片を入れ、高沸点有機溶媒を添加後、ホットプレート上で数分間加熱して試料を軟化させてサンプルキュベットの表面に密着させた。さらに加熱して軟化に使用した有機溶媒を完全に除去した後、このサンプルキュベットをメタル炉上に重ね合わせて置き、急速に加熱することで目的元素を気化させ、素早くアルゴンキャリヤーガスによりオンラインでプラズマに導入した。 有機溶媒に溶解しないような粒状金属の場合を想定して、鉄鋼微粉末中の半金属元素の定量も並行して行った。測定装置への供試を容易にするため、鉄が磁石に引き寄せられることに注目した。すなわち磁針の先端に鉄鋼試料を吊し、この針先の試料がメタル炉のくぼみの上部に位置するように取り付けて加熱すれば、輻射熱で鉄鋼試料の温度がキュリー元素をオンラインでICPへ導入した。この簡易な自動試料供試装置により、硫黄・セレン・アンチモン・ビスマスの迅速定量に成功した。
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Research Products
(4 results)