2008 Fiscal Year Annual Research Report
色変化を利用した匂い判別方法の構築と光ファイバセンサシステムの開発
Project/Area Number |
20550080
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
井上 高教 Oita University, 工学部, 准教授 (40243969)
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Keywords | 匂い / 色変化 / センサ / 光ファイバ / 色素分子 / pH指示薬 |
Research Abstract |
色素分子の溶媒極性による色変化を利用し、匂い成分のセンサの開発を行った。色素含有の濾紙を用いたRGB変化による判別を行い有効な色素を探索し、次にその色素を光ファイバに塗布し光強度の変化による簡易な装置の開発を行った。また同時に感度の向上のため実験装置の改良等を行った。 応答素子の作成:クラッド径1mmの石英製光ファイバを80mmに切断し、その両端をサンドペーパーで研磨し、ファイバの片側の先端に1.0mMの色素溶液を滴下し、乾燥させた。これを5回繰り返し応答素子とした。 応答実験:作成したファイバ膜と二股型ファイバを接続し、10分間空気中に放置した後、5分間におい成分の入ったサンプル管にファイバを入れ、再び10分間空気中に放置した。このとき各時間での光強度を測定した。 BTBでは酢酸ガスで一番応答量が大きくなった。これはBTBがpH指示薬として使われている色素であるため、酸性である酢酸に対して大きな色変化を示したと考えられる。またR-dyeでは各匂い成分で応答の形が異なっていた。これはR-dyeが溶媒によって色が変わる色素であることが要因と考えられる。この2種類の色素と3種類の匂い成分による主成分分析により匂い成分の分布が確認された。次にこれらの色素を用いて流通系において濃度依存性の確認を行った。乾燥空気中では光強度がほぼ一定であり、匂い成分に曝すと強度は下がり、再び空気中に戻すと光強度はほぼ元の状態に戻った。また濃度によって応答量の大きさが変わり濃度依存性が確認できた。今後は更なる感度向上のため、使用する色素の探索と、色素の混合使用、併用使用等による複数の匂い成分の同時測定を目指す。
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