2008 Fiscal Year Annual Research Report
カスタム分離系プラットフォームとしての逐次キャリアー置換動電クロマトグラフィー
Project/Area Number |
20550082
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
江坂 幸宏 Gifu Pharmaceutical University, 薬学部, 准教授 (70244530)
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Keywords | MEKC / 混合ミセル / 逐次キャリアー置換 / マルチモードEKC |
Research Abstract |
1.ミセル濃度・組成グラジエント方式動電クロマトグラフィー(EKC)の基礎技術の確立 ミセル組成・濃度を逐次変化させるEKCの分離プログラムを自由に設計するには、異なる濃度・組成の各ミセルゾーンの移動速度の統一方法が必要であり、そのために各ゾーンでの電位勾配の制御方法が重要です。平成20年度は、まず、電位勾配の制御のための理論・技術の確立を行いました。すなわち、同種のキャリアー濃度を変化させる場合は、その異なる濃度ゾーン間でも電場を均一にするために、濃度が異なる分の電安抵抗変化を適切な塩を添加して補償する方法を考案しました。この際に、添加する塩は、キャリアーと同一の電気泳動移動度を有する必要があります。例えば、検討に用いたCTACミセルと同一の移動度をもち、かつミセルと相互作用のないテトラエチルアンモニウムクロリドを見出し、これを用いて、分離と時間を両立するミセル濃度グラジエント法を成功させました。一方、界面活性剤の組成を変化させる組成グラジエント法では、混合ミセル形成を利用し、分配特性を変化させる、いわば、質を変化させるグラジエント法となります。その場合は、混合比が異なるミセル同士は、電気泳動移動度が異なるため、濃度グラジエントの場合の補償塩による移動速度の統一が取れません。ここでは、等速電気泳動の考えをとりいれて、キャリアー濃度の調節により、各キャリアー移動速度の統一を図る方法を開発しました。この手法は、今後検討予定のマルチモードEKC法の実現に不可欠な方法となると考えられます。 2.多種キャリアー逐次置換方式EKCにおける分離シュミレーション 本法は、多種キャリアーの分離結果に与える寄与を、導入ゾーン幅の調節で算術和的に調節することが原理的に可能です。20年度は、胆汁酸ミセルとSDSミセルの組合わせで、基礎的な検討を行い・得られる結果が予測可能であることを示しました。
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Research Products
(6 results)