2009 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病原因遺伝子産物の初期アミロイド形成機構の高精度検出法の開発
Project/Area Number |
20550083
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
田代 櫻子 (下高原 櫻子) Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 薬学部, 講師 (40328555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 正樹 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (90277252)
田代 充 明星大学, 理工学部, 准教授 (40315750)
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Keywords | 高分子構造・物性 / アミロイド / 脳神経疾患 / 生理物理 / 分析化学 |
Research Abstract |
α-synucleinは,繊維化する事で他のアミロイドタンパク質と同様にβ-sheet構造に変化することが報告されている.一方,速度論的解析から部分的に構造を持つ中間体の存在や原子間力顕微鏡の研究より、微細孔様の構造を持つ線維中間体の形成などの報告があり,アミロイド線維形成過程における中間体の存在が明らかにされた.In vitroでのアミロイド繊維化過程の中間体の存在は,当研究グループの研究結果からも明確であるが,未だその構造的詳細は明らかにされていない.この結果を踏まえて,本研究では初期段階における中間体の構造様式を解明する事で,中間体の存在とPD発症との関連性について明らかにする事を目的とした. 昨年度は,ゲル浸透クロマトグラフィーを用いてα-synucleinの質量分布を観察した結果、単量体ピーク以外に2-3量体よりも比較的大きい分子量領域により多くのオリゴマー中間体の分布が検出された.さらにLTQ-Orbitrap FT-MSによるα-synucleinアミロイド化の観察から、8量体が経時的に増化していることが明らかになった.このことからSAXSで観測された6~9量体のアミロイド化初期段階におけるオリゴマー中間体の1つは、8量体であると示唆された.この8量体ピークは0時間ではほとんど存在せず,72時間あたりまで増加しその後は減少していく.これまでのα-synucleinのアミロイド化におけるオリゴマー中間体の報告は細胞内での結果が殆どで,中間体の構造的特徴を示すものは少ない.今回の結果はアミロイド化中間体の毒性解明に大きく貢献するものと思われる.
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Research Products
(3 results)