2008 Fiscal Year Annual Research Report
通電式計測システムによる微量重金属イオンの特異的分析
Project/Area Number |
20550085
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 生男 Kanagawa Institute of Technology, 工学部, 教授 (20148125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 泰広 神奈川工科大学, 応用バイオ科学部, 准教授 (40329305)
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Keywords | バイオセンサー / アポ酵素 / 重金属イオン / フロー計測 / 固定化酵素 / カロリメトリー / アスコルビン酸オキシダーゼ / キレート化剤 |
Research Abstract |
「研究の目的」:金属酵素に錯化剤を作用させると、活性部位から補因子である重金属イオンが除去され、触媒活性の欠けたアポ酵素が得られる。このアポ酵素は特定の重金属イオンに対して親和性を保持していることに着目し、重金属イオンの微量計測を考案するに至った。金属酵素として、市販品として容易に入手できるキウリ由来のアスコルビン酸オキシダーゼを選び、銅(II)イオンの選択的定量を行った。 「研究の結果」: (1)酵素固定化物の調製:本酵素を多孔質ガラス(細孔径:202.3nm,粒子径:120-200メッシュ,表面積:12.8m^2/g)に73%の収率で固定化することができ、この固定化物をプラスチック製のミニカラムに充填し(充填良:0.3mL),フローインジェクションカロリメトリーに基づく計測システムに取り付けた。 (2)酵素固定化物の触媒活性の確認:計測システムにL-アスコルビン酸液(0.2mM, pH5.60,0.1mL)を注入すると、顕著な発熱応答が示され、3%未満の相対標準偏差(n=10)で再現性良く定量出来た。酵素カラムの触媒活性を以後、10mM, pH5.60,0.1mLの条件で計測する事とした。 (3)錯化剤を用いたアポ酵素への変換条件を検討した結果、30mM, pH8.0,0.5mLのDDTC (N,N-ジェチルジチオカルバミン酸)液を導入することで、目的を果せた。引き続き、銅(II)イオンの計測を行ったところ、0.1μM〜1.0mMの範囲で測定できた。
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