2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロチャンネル内の液-液界面微小反応場を利用する新規化学発光分析法の開発
Project/Area Number |
20550087
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
塚越 一彦 Doshisha University, 理工学部, 教授 (60227361)
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Keywords | マイクロチャンネル / 化学発光 / 層流 / 液-液界面 / 過シュウ酸エステル |
Research Abstract |
マイクロチャネル化学発光分析(micro-channel chemiluminescence analysis; MCCLA)法は、マイクロチャネル内の層流条件下で形成される液-液界面あるいは液-液界面崩壊過程を、化学発光の微小空間反応場として利用する新しい化学発光分析法である。申請者は、2004年からMCCLA法に関する基本的な考え方を提案してきた。本申請では、MCCLA法の分析手法としての用途拡大と基本概念の確立を研究目的としている。今回、蛍光物質が化学発光検出できる過シュウ酸エステル化学発光系をMCCLA法にはじめて導入することに成功した。実験は、幅数百μm以下のマイクロチャネルを有するマイクロリアクタを用いて行った。Y路流路の2つの溶液注入口から、2種類の化学発光関連試薬をマイクロシリンジで送液した。2種類の試薬溶液は、マイクロチャネル内を層流条件下(レイノルズ数一桁以下)で、液-液界面を形成しながら流れていった。過シュウ酸エステル化学発光系の導入により、種々の蛍光物質および蛍光ラベル化剤が分析可能になり、分析対象を大幅に拡張することができた。また、蛍光物質を化学発光と蛍光の双方から検出・観測することができることにより、光電子増倍管を使った化学発光検出のデータと蛍光顕微鏡-CCDカメラ観測のデータを相互に比較することが可能になり、拡散工学、反応工学、さらに反応速度論立場などから、広い視野に立ってMCCLA法の基本概念を確立する研究を展開できた。
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Research Products
(3 results)