2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロチャネル内の液―液界面微小反応場を利用する新規化学発光分析法の開発
Project/Area Number |
20550087
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
塚越 一彦 Doshisha University, 理工学部, 教授 (60227361)
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Keywords | マイクロチャンネル / 化学発光 / 層流 / 液-液界面 / マイクロフロー / 管径方向分配 |
Research Abstract |
マイクロチャネル化学発光分析(micro-channel chemiluminescence analysis ; MCCLA)法は、マイクロチャネル内の層流条件下で形成される液-液界面あるいは液-液界面崩壊過程を、化学発光の微小空間反応場として利用する新しい化学発光分析法である。申請者は、2004年からMCCLA法に関する基本的な考え方を提案してきた。本申請では、MCCLA法の分析手法としての用途拡大と基本概念の確立を研究目的としている。今回、MCCLA法の用途拡大のひとつとして、内径数百μm以下の内壁に何も修飾していないオープンキャピラリーチューブ(材質は、フューズドシリカ、ポリエチレン、PTFE等)に、水-親水性-疎水性有機溶媒混合溶液をキャリア溶液として、層流条件下で送液することにより分離を行う新規キャピラリークロマトグラフィー提案した。この方法を管径方向分配クロマトグラフィー(Tube Radial Distribution Chromatography ; TRDC)と呼ぶ。本TRDCの分離には、チューブ内流れにおけるキャリア溶液の溶媒組成の不均一化(溶媒の管径方向への分配)、そこへの試料分子の分散(溶質の管径方向への分配)、さらに層流条件下における速度分布等が関与すると考えられる。TRDCにおける種々の分析条件の影響を調べた。TRDCにおいて、チューブの内径、長さ、温度、およびキャリア溶液の流速を変えて、モデル試料1-ナフトールと2,6-ナフタレンジスルホン酸混合溶液を分離した。キャリア溶液には水-アセトニトリル-酢酸エチル混合溶液(容積比3:8:4)を用いた。チューブ温度(5-30℃)が2成分分離に最も大きな影響を与えた。チューブ温度が5-20℃のとき2成分はベースライン分離を示したが、25および30℃では良好な分離は確認できなかった。これは、チューブ温度を下げることで、チューブ内における油水混合キャリア溶液の溶媒組成の不均一化(管径方向への分配)がより顕著に生じ、分離が改善されたと考えられる。また、TRDCを用いて複数成分の混合試料溶液の分離も試みた。
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Research Products
(3 results)