2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロチャネル内の液-液界面微小反応場を利用する新規化学発光分析法の開発
Project/Area Number |
20550087
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
塚越 一彦 同志社大学, 理工学部, 教授 (60227361)
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Keywords | マイクロチャネル / 化学発光 / 層流 / 液-液界面 / マイクロフロー / 管径方向分配 |
Research Abstract |
1 マイクロチャネル化学発光分析(MCCLA)法あるいは溶媒分子の管径方向への分配を利用した分離法(管径方向分配クロマトグラフィー)において、溶媒分子の管径方向への分配は、様々な実験結果から支持されている。しかし、これまで可視化画像に基づくような直接的な実証はなされていなかった。今回、キャリア溶液に、perylene(疎水性)EosinY(親水性)の蛍光物質を溶解したキャリア溶液をマイクロリアクタ内のマイクロチャンネルに送液し、油水混合キャリア溶液の中の蛍光物質の管径方向への分配を蛍光顕微鏡とCCDカメラを使って、直接、観察することができた。また、流速を変化させながらキャピラリーチューブに送液し、蛍光顕微鏡-CCDカメラでキャピラリーチューブ内の蛍光画像を撮影した。その結果、流速が0.5-2.0mL min^<-1>ではキャリア溶液が管径方向に分配し、形成された各相に蛍光物質が分配している様子が観察できた。 2 これまで、マイクロチャネル化学発光分析(MCCLA)法あるいは溶媒分子の管径方向への分配を利用した分離法では主に低分子の有機化合物(1-naphthol,2,6-naphthalenedisulfonic acidなど)を分析してきた。はじめて、生体高分子を分析することを試みた。アルコール分解酵素(分子量140,000)とウシ血清アルブミン(分子量64,000)をモデル試料として、過剰の標識剤とともにそれら標識タンパク質の混合試料を、溶媒分子の管径方向への分配の原理に基づいて分離することができた。生体高分子を分析することの可能性が示されたことは、本研究において、新たな可能性と方向性を示した。現在、3成分以上の生体分子の多成分分離が可能になった。また、5成分(1-naphthol, Eosin Y, 1-naphthalenesulfonic acid,2,6-naphthalenedisulfonic acid,1,3,6-naphthalenetrisulfonic acid)の多成分分離も報告した。
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Research Products
(3 results)