2009 Fiscal Year Annual Research Report
二核アリルおよびプロパルギル錯体を利用した新規触媒反応の開発
Project/Area Number |
20550091
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
塚田 直史 Shizuoka University, 理学部, 准教授 (70292240)
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Keywords | 二核錯体 / パラジウム / アリル化合物 / プロパルギル化合物 / 触媒反応 |
Research Abstract |
実施計画に従い研究を行った。 1)二核アリル錯体を触媒に用いてアルデヒド以外のアリル化について検討した。主にアルキンのアリル化について検討を行ったが、アリル化剤としてアリルアルコールとテトラヒドロキシジボランの組み合わせを用いるとジフェニルアセチレンのアリル化が可能であることを見いだした。生成物の収率は高くなく、現在反応条件等を検討中である。 2)白金を用いて二核アリル錯体を合成した。パラジウム錯体と同様の手法を用い合成を試みたところ、定収率ではあるが二核アリル錯体が得られた。X線結晶構造解析によりパラジウムと類似の構造を有することも確認した。この二核錯体の触媒能については現在検討中である。 3)ジクロロイソブテンからテトラヒドロフラン誘導体の合成について詳細に検討を行ったが、残念ながら生成物の収率は思うように向上せず、単核の触媒と比較して顕著な優位性は見いだせなかった。 4)二核アリル錯体の低反応性が配位子の嵩高さであると考え、立体障害の小さい架橋配位子を新たに設計した。外側の配位部分をジフェニルホスフィノ基からキノリノ基に置き換えて二種の架橋配位子を新たに合成した。これらを用い二核アリル錯体を合成しX線結晶構造解析を行ったところ、アリル配位子周りの立体障害が大きく解消された。現在、その触媒能について検討中である。
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