2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20550093
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
佐藤 大 Saitama University, 理工学研究科, 講師 (10261877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽越 宣仁 電気通信大学, 情報理工学研究科, 准教授 (10361396)
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Keywords | 機能性触媒 / デンドリマー / 水溶性 / 加水分解 / カルボン酸塩 / ジスルフィド / 自己組織化 / 半導体ナノ粒子 |
Research Abstract |
本研究の究極の目的は、半導体CdSナノ粒子の上に幾つかの機能を担う有機化合物を積み上げることで、生体中で動作する光駆動型触媒を創製することにある。上記生体内触媒を創製するためには、多光子捕捉能を持つデンドリマー(デンドロン)の供給が不可欠である。また、このデンドリマー(デンドロン)には、CdS粒子に自己組織化可能な部位と、生体内投与に必要な水溶性が含有されなければならない。 このような観点から設計したデンドリマー(デンドロン)の合成を行ない、これまでに第一世代から第二世代のデンドロンチオールG1~G2(SH,R=H)、ならびにデンドリマージスルフィドG1~G2(SS,R=H)の合成法を確立している。しかしながら第三世代では、G3(SH,R=H)への加水分解、G3(SS,R=H)への酸化反応ともに不十分な結果となってしまい、それらの単離・精製には至っていなかった。そこで今年度はG1~G2の効率的供給を行うとともに、上記加水分解・酸化反応の最適条件の検討を種々行なった。その結果,前者では20%KOHを用いての12時間加熱環流、後者ではDMF中ヨウ素10当量・室温1日の条件が最適であることがわかった。さらに、トリオールG1(30H)とブロミドG3(Br,R=Et)を炭酸カリウム存在下で加熱環流することで世代を伸長させ、第四世代G4(OH,R=Et)を合成した。 得られたデンドリマーG1(SS,R=H)、デンドロンG1(SH,R=H)、G2(SH,R=H)の水溶性について評価したところ、蒸留水に対してはいずれも不溶であった。一方、5%炭酸水素ナトリウム水溶液に対しては、比較的高い水溶性を示した[G1(SS,R=H)):>10g/L、G1(SH,R=H):>10g/L、G2(SH,R=H):4g/L]。このことは、ターゲット分子を構築する際にデンドロン部位をカルボン酸塩として用いることで、生体内投与が可能になることを示唆している。また、末端にイオン基が結合した分岐数nのデンドリマーは2^nの価数の超多価イオンであり、水溶液中での拡散、泳動などの輸送過程に興味が持たれる。これらの電離度について、基礎的な検討を行った。 今後、固体表面、金属クラスターならびに半導体ナノ粒子へのチオラートGn(SNa,CO_2Na)の自己組織化を検討し、この複合系の電荷分離光機能、光補修機能についての検討を行う。
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Research Products
(7 results)