2010 Fiscal Year Annual Research Report
Grignard反応剤を用いるアルデヒドの実用的不斉アルキル化反応
Project/Area Number |
20550095
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
原田 俊郎 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (30135628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠川 隆博 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (70300720)
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Keywords | 合成化学 / 触媒・化学プロセス / 有機化学 |
Research Abstract |
光学活性体のジアリールメタノールは医薬品の重要な合成前駆体である。そのため、アリール金属反応剤による芳香族アルデヒドの触媒的不斉アリール化反応の開発研究が近年、活発に進められている。臭化アリールより簡便にin situ調製できるアリールリチウム反応剤を用いてアルデヒドの触媒的不斉アリール化反応が実現できれば、多様な誘導体が安価に市販されている臭化アリールとアルデヒドから一段階の反応で光学活性第二級アルコールが不斉合成できると期待される。前年度までの研究成果に基づき、DPP-H_8-BIOLチタン錯体触媒による不斉アリール化反応を検討した。その結果、アリールリチウム反応剤をTi(Oi-Pr)_4及びMgBr_2と混合して用いることにより、アルデヒドの不斉アリール化が高効率かつ高エナンチオ選択的に進行することを見いだした。本触媒は、多様な臭化アリールとアルデヒドの反応に適用でき、いずれの場合も低触媒量(2mol%)で良好な結果を与えた。シアノ基などの反応性官能基が置換したアリールリチウム反応剤は低温でのみ安定であるが、Ti(Oi-Pr)_4及びMgBr_2と混合すると室温でも安定となり、対応する多官能性ジアリールメタノールの不斉合成に利用できた。
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