2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子シャトル制動機能をもつロタキサン型分子ゲルの合成と機能性評価
Project/Area Number |
20550100
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
澤田 剛 Kumamoto University, 自然科学研究科, 准教授 (90240902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊原 博隆 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (10151648)
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Keywords | 分子シャトル / ロタキサン / 分子ゲル / 光異性化 / メタシクロファン |
Research Abstract |
本研究は、環状構造にスチルベンを含む大環状芳香族化合物(メタスチルベノファン:MSP)を用いてロタキサン型分子ゲル化剤を合成し、環状構造の分子シャトル運動を停止できる光応答性ロタキサン分子ゲルの創製法を模索することを目的としており、平成20年度は、MSP類の合成と、構造解析、光異性化挙動の検討を行った。 六環系のMSP類のMcMurryカップリングによる合成を検討したが、分子内カップリングが進行し三環系のMSPが得られた。しかし三環系のMSPは光異性化挙動を示さなかったので、四環系のMSP類及び二環系のMSP(ジヒドロピレン)の合成を検討し、内部位にメチル基、メトキシ基を有する種々のMSP類の合成を行った。 NMRスペクトル測定、ならびに単結晶X線構造解析測定を駆使し、これらMSP類の立体構造を解析した。その結果、四環系MSP類がTrans-Trans型、Trans-Cis型、Cis-Cis型の3種類であり、また二環系MSP類がOpen型とClose型であることを見いだした。また、これらの光異性化挙動を検討し、紫外光を照射することで四環系MSP類がTrans-Trans型からCis-Cis型に異性化すること、また二環系MSP類がClose型からOpen型に異性化することがわかった。また、メチル基を有する四環系MSPの場合、光異性化挙動が一方向に異性化することがわかったので、これを利用して効率のよい制動挙動が期待できる。
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