2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子シャトル制動機能をもつロタキサン型分子ゲルの合成と機能性評価
Project/Area Number |
20550100
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
澤田 剛 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (90240902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊原 博隆 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (10151648)
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Keywords | 分子シャトル / ロタキサン / 分子ゲル / 光異性化 / メタシクロファン |
Research Abstract |
本研究は、環状構造にスチルベンを含む大環状芳香族化合物(メタスチルベノファン:MSP)を用いてロタキサン型分子ゲル化剤を合成し、環状構造の分子シャトル運動を停止できる光応答性ロタキサン分子ゲルの創製法を模索することを目的としており、平成21年度は、光異性化するMSPおよび、光によって構造変化する新たな芳香族化合物(ジヒドロピレン:DHP)を開発するとともに、シリカ表面への高分子鎖を導入する反応について検討し、応用の可能性を模索した。 昨年の研究で、内部位にメチル基を有するMSPが一方向への異性化挙動を示すことが分かったため、これを機能化するために、ニトロ基の導入反応を検討した。その一方で、MSP類では、一方向への異性化挙動のみが見いだされるため、光スイッチング機能を示す新たな機能性芳香族化合物としてDHPに着目して,合成研究、及び機能性の評価を行った。具体的には、ピラジン、チオフェンなどの複素環を導入したDHP類の簡便な合成法を開発し、これらが高効率、かつ再現性よく光スイッチング挙動を示すことを明らかにした。一方、これらの機能性ゲルへの応用を目指して、芳香環を有する高分子鎖をシリカ表面に導入する研究を進め、これらが非常に大きな分子形状選択性を有するHPLIC固定相などに応用可能なことを見いだしている。 光スイッチング機能性を有するDHP類、また光によるロック機能を有するMSPを導入した機能性ゲルを開発し、その応用展開についても多くの知見を得ており、今後の発展が期待される。
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