2009 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性熱応答性高分子を固定化した活性炭素繊維細孔反応場における水中電解反応
Project/Area Number |
20550104
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
石船 学 Kinki University, 理工学部, 准教授 (40268462)
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Keywords | 炭素繊維 / 熱応答性高分子 / 光学活性高分子 / グラフト重合 / 電解反応 / 修飾電極 / 水溶媒 |
Research Abstract |
平成20年度までに、プロリノールなどのアミノ酸誘導体を側鎖に有するアクリルアミド系光学活性高分子が熱応答性を示すことを見出したが、平成21年度は、まず、これら熱応答性高分子水溶液において、下部臨界共溶温度(LCST)以上で形成される疎水場への有機基質の取り込みを行った。poly(N-isopropylacrylamide-co-N-acryloylprolinol)によるCitronellolの取り込みにおいて、LCST以上の温度で、高分子中から回収された基質と、バルク水溶液中から回収された基質のそれぞれの旋光度を測定した結果、(+)-体が高分子中に優勢に取り込まれる傾向が確認された。使用した高分子は、(-)の旋光性を示していることから、この残留による影響は考えられない。さらに、poly(N-isopropylacrylamide-co-N-acryloylalaninol)による1-Phenylethanolの取り込みにおいては、光学分割カラムを用いた評価から、約80%の選択性で一方のエナンチオマーがポリマー相に取り込まれることを確認した。さらに、炭素繊維への熱応答性高分子の固定化については、前年度までの表面改質・グラフト重合法についての知見を基盤に、リビングラジカル重合法の一種であるATRP法による熱応答性高分子の炭素上へのグラフト化を達成した。Poly(N-isopropylacrylamide)を固定化した炭素繊維では、これを電極とし、ベンゾキノンをモデル基質として電気化学的測定を行った結果、熱応答性高分子の修飾を示唆する端緒的な結果を得ている。さらに、高分子反応場に、反応を誘発する触媒あるいは反応点を導入する検討も開始し、クラウンエーテル、ピロリジン部位などを側鎖に有する熱応答性高分子の合成にも成功しており、これらを炭素繊維界面に導入する検討を継続している。
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Research Products
(17 results)