2009 Fiscal Year Annual Research Report
高分子半導体のヘテロ接合形成に基づく高効率光電気化学反応システムの構築
Project/Area Number |
20550105
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
神原 貴樹 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90204809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 純平 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教 (70466655)
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Keywords | 高分子半導体 / 光電気化学 / エネルギー変換 / ヘテロ接合 / 導電性高分子 / 光触媒 |
Research Abstract |
本研究は、種々のエネルギー準位の異なる高分子半導体の分子設計・合成を行い、異種高分子半導体からなる二重層フィルムのヘテロ接合を電極上に形成し、効率の良い光化学変換システムを構築することを目的とする。 本年度はまず遷移金属錯体触媒を用いる炭素-窒素結合生成反応を重縮合反応に適用し、代表的な導電性高分子のポリアニリンの類縁体である共役系高分子色素を合成した。得られた高分子は、酸塩基反応や酸化還元反応に応答して色調変化をするp型導電性高分子として機能すことを明らかにした。特に、厚膜調製を行うと特異的な光学特性が見られることがわかった。さらに、いくつか新規モデル化合物の合成を行った。蛍光色素を導入した機能性分子の設計では、酸性度によって蛍光強度・色調が2段階で可逆的に変化する機能性分子が得られた。 有機金属重縮合法により得られた各種高分子半導体を電極上にキャストし、いくつかの基質に対する光電気化学反応特性を調べた。暗所並びに光照射時における電気化学反応特性の評価から、p型高分子半導体では光カソード反応が、n型高分子半導体では光アノード反応が促進されることが確認された。それぞれの高分子半導体の光吸収波長領域と光電極反応特性の関係を系統立てて解析し、高分子半導体電極のエネルギー準位ならびにキャリアモビリティーと修飾電極の酸化力及び還元力との相関性が明らかとなった。 高分子半導体薄膜を光触媒として利用するために、農薬の光触媒分解反応について試験研究を行った。その結果、上記光電気化学反応特性と光触媒反応に良い相関性が見られることがわかった。
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