2009 Fiscal Year Annual Research Report
ポリマー側鎖末端基を利用した親水性・反応性・生体適合性表面の構築
Project/Area Number |
20550108
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石曽根 隆 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60212883)
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Keywords | 両親媒性ブロック共重合体 / 水溶性ポリマー / 感温性ポリマー / 側鎖末端基 / メタクリル酸トリ(エチレングリコール)ビニルエーテル / リビングアニオン重合 / ポリ(メタクリル酸トリエチレングリコール) |
Research Abstract |
本研究では、両親媒性ブロック共重合体中の親水性セグメントを、側鎖末端基の疎水性を利用して、空気中や真空下という疎水性雰囲気下においても優先的にかつ自発的にフィルム最表面に偏析させ、親水性・反応性・生体適合性を示すポリマー表面を構築することを目的としている。平成21年度は、水溶性かつ感温性を示すポリメタクリル酸エステルセグメントを構成する新規モノマー類のアニオン重合を検討した。アニオンリビングポリスチレンを開始剤に用いて、メタクリル酸(エチレングリコール)ビニルエーテル(1)、メタクリル酸ジ(エチレングリコール)ビニルエーテル(2)、メタクリル酸トリ(エチレングリコール)ビニルエーテル(3)のアニオン重合を、THF中、-78℃において行ったところ、メタクリル酸エステル部位のみで重合が選択的に進行し、定量的にブロック共重合体が得られた。生成したブロック共重合体は、設計通りの組成と分子量に加えて、狭い分子量分布を持つことを見出した。また、ポリメタクリル酸エステルセグメントの側鎖ビニルエーテル基を酸処理することで、温和な条件下で脱保護反応が進行し、水酸基を有するポリ(メタクリル酸エステル)セグメントに変換することが可能であつた。以上の結果から、目的とする一次構造の明確な両親媒性ブロック共重合体が合成できたことを確認した。今後は、両親媒性ブロック共重合体のキャスト膜を作製し、その表面構造を解析していく予定である。
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