2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20550112
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岡 勝仁 Osaka Prefecture University, 総合教育研究機構, 教授 (70203966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 義明 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (80247874)
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Keywords | 高分子構造・物性 / 生体分子 / 理論化学 |
Research Abstract |
2-アミノアセチル基を側鎖原子団とし、主鎖部分に窒素原子を有するするデルタアミノ酸について、Gaussian03を用いた量子化学計算による詳細なコンホメーション解析を試みた。主鎖に存在する窒素原子のため、これまで研究対象とされてきた通常のデルタアミノ酸とは異なる、特異なコンホメーション特性を有していることが明らかになった。このアミノ酸の主鎖コンホメーション特性は、分子生物学分野において前提とされている構造に必ずしも限定されないことを示唆しており、興味深い結果となった。分子力場作成のための構造データを得るために、N端、C端をそれぞれBoc基、アミド基で保護した前記のデルタアミノ酸を合成し、結晶化を試みた。 主鎖部分に二重結合を有するアミノ酸(N端、C端をそれぞれアセチル基、N-メチルアミド基で保護したもの)について、Gaussian03を用いた量子化学計算による詳細なコンホメーション解析を試みた。N端とC端に存在するペプチド結合部分を含めて、主鎖部分にπ電子の共役構造が出現し、かつ、この構造が唯一の安定なコンホメーションであることが明らかになった。この結果は、このアミノ酸残基からなるポリペプチドは、ポリアセチレンと同様のπ電子共役系を有する導電性高分子となることを強く示唆しており、機能性高分子材料開発の新領域を切り拓く興味深い知見といえる。
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