2008 Fiscal Year Annual Research Report
固相長寿命ラジカルを利用した低反応性フッ素モノマーの重合と燃料電池膜への応用
Project/Area Number |
20550117
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
長谷川 伸 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (60354940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 康成 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (30354939)
榎本 一之 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 博士研究員 (50465978)
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Keywords | 放射線 / グラフト重合 / 燃料電池 / 長寿命ラジカル / フッ素モノマー / 電解質膜 / リビングラジカル重合 |
Research Abstract |
自動車用や家庭用燃料電池の心臓部である高分子電解質膜について、高温作動下での発電性能や耐久性の大幅な向上と製造コストの大幅な削減が同時に求められているが、未だ解決策が見いだされていない。その中で、高温耐久性のフッ素系や芳香族炭化水素系高分子膜基材に、電解質がグラフト鎖として導入できる放射線グラフト重合は有力な手法の一つである。そこで、放射線照射により固体高分子膜中に生じた長寿命ラジカル及びリビングラジカル重合における安定化ラジカルの利用により、耐久性に優れた全フッ素系モノマーをグラフト電解質として導入し、従来の炭化水素グラフト電解質膜に代わる新規高温高耐久性電解質膜の合成の実現を目的とした。 今回、ポリエチレン、テトラフルオロエチレン共重合(ETFE)膜へフッ素モノマーである2-Bromotetrafluoroethyltrifluoro vinyletherを同時照射することによって、クラフト重合の進行することが初めて確認された。グラフト率は、照射線量に依存して増加し、1360kGyで67%に達した。調製したグラフト試料は、膜内に均一に導入され、膜を構成するポリマーとグラフト鎖は、高い相容性のためお互いに相分離しないことがわかった。
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