2010 Fiscal Year Annual Research Report
燃料電池のカソード過電圧低下効果が高いαフタロシアニン触媒層の構築と耐久性の向上
Project/Area Number |
20550126
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
高瀬 聡子 九州工業大学, 工学研究院, 助教 (60239275)
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Keywords | 燃料電池 / フタロシアニン / 酸素還元触媒 |
Research Abstract |
本研究では、中心金属に酸素を吸着する機能を持ち酸素分子の解離が必要な酸素還元反応に対して高選択的な触媒活性を有する金属フタロシアニン(MPc)の触媒活性を向上させる電極への担持法を開発することを目的としている。 これまで、プロトン付加によってMPcが単分子分散した有機酸溶液を用いることで種々の2価の金属を中心に持つα相のMPcが得られることを確認した。このα相は二つのMPc分子が4Å間隔で積層しており、酸素分子が二つのMPcにブリッジ構造を形成して吸着することが可能であるため、一つのMPcに吸着する場合より酸素分子が解離し易く、高い酸素還元触媒活性を示すものである。 本年度はプロトン付加した溶液を用いて、析出法の違いによるMPc層のキャラクタリゼーションと酸素還元触媒特性を評価した。その結果、プロトン付加したMPcを中和するために強塩基性溶液中で中和すると比較的配向性が少ないα相粉末が得られた。中心金属の種類はFe,Co,Ni,Cu,Znと多くの2価金属に応用可能であった。しかし、Mnは2価の状態が得られにくいためかα相が確認できなかった。これらの酸素還元触媒特性を評価したところ、FeとCoが高活性を示したがFeの活性は維持が難しかった。 また、同MPc溶液を電解液として電気泳動析出法によって析出させたMPc層は(002)配向性が高いものであった。しかし、中心金属に依存して析出量が大きく異なり、種々の中心金属のMPcの同条件下での触媒活性比較は困難であった。電気泳動析出法から得られたMPcの触媒活性は、析出し易さの考慮も必要ではあるが、中和の場合と同じ中心金属にCo,Fe,をもつMPcが高い触媒活性を示した。電気泳動析出法で得られたものがより中和によって得られたものより高い触媒活性を示した。これは導電材料であるカーボンとの固着が強固になっていることや、2次元的に広がった層を形成しているためと考えられる。
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Research Products
(3 results)