2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20550131
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
矢野 陽子 Ritsumeikan University, 総合理工学研究機構, 教授 (70255264)
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Keywords | 超音波霧化 / X線小角散乱 / 溶液構造 |
Research Abstract |
超音波を液体表面に照射すると、音圧により液面が噴水状に盛り上がり、噴水の側面から霧状の液滴が発生する。この現象は「超音波霧化」と呼ばれ、マイクロメータオーダーの液滴を効率的に生成する手法として加湿器などに利用されてきた。本研究は、SPring-8の高輝度X線を用いた小角散乱測定によって超音波霧化法で発生したミストの粒径を測定し、霧化条件との相関を検討することで粒径制御につなげることを目的としている。 これまでの研究から、ミストの粒径は溶液のミクロな混合状態に密接な関係があると考えられている。一般に、アルコールは炭素数が増えると疎水性が増し、水と混ざりにくくなる。よって、平成21年度は『溶液構造』に着目し、炭素鎖の異なるアルコール水溶液について、超音波霧化法によって発生した粒径分布を測定した。 その結果、どのアルコールもエタノール水溶液と同様にマイクロドロップレットとナノドロップレットの重ね合わせとなっており、アルコールの濃度が高くなるにつれてナノドロップレットの寄与が大きくなっているのがわかった。 一方、アルコールは炭素数が長くなると理想溶液からのずれが大きくなる。非理想性が大きくなるにつれ、マイクロドロップレット、ナノドロップレット両者の小角散乱強度が増加していることから、霧の発生量を増やすには、非理想性が大きくなるような溶質を添加すればよいと思われる。
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Research Products
(2 results)