2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20550131
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
矢野 陽子 (藤原 陽子) 立命館大学, 総合理工学研究機構, チェアプロフェッサー (70255264)
|
Keywords | 超音波霧化 / X線小角散乱 / 溶液構造 |
Research Abstract |
超音波を液体表面に照射すると、音圧により液面が噴水状に盛り上がり、噴水の側面から霧状の液滴が発生する。この現象は「超音波霧化」と呼ばれ、マイクロメータオーダーの液滴を効率的に生成する手法として加湿器などに利用されてきた。本研究は、SPring-8の高輝度X線を用いた小角散乱測定によって超音波霧化法で発生したミストの粒径を測定し、霧化条件との相関を検討することで粒径制御につなげることを目的としている。 これまでの研究から、ナノ液滴の発生には母液のエタノール濃度、キャリアガス流量、超音波振動子への入力パワーが関与していることがわかった。平成22年度は、「エネルギーの供給源として、超音波が本質なのか?」を明らかにするために、静電霧化法との比較を行った。静電霧化法は、5-10kVの高電圧をかけた注射針から液体を噴霧するものである。注射針の先端から発生した液滴の粒径をその場観察した。その結果、得られたX線小角散乱プロファイルは超音波霧化法によって発生したものと非常に良く似ていることがわかった。よって水はマイクロメータ、エタノールはナノメータオーダーに中心粒径を持つ。これにより、ミストの粒径は液滴微粒化のエネルギーの供給源には依存せず、「溶液構造」が支配していることがわかった。
|
Research Products
(2 results)