2010 Fiscal Year Annual Research Report
環状配位子-金属錯体を触媒として用いる芳香族ハロゲン化物の脱ハロゲン化
Project/Area Number |
20550139
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
望月 桂 横浜市立大学, 生命ナノシステム研究科, 教授 (60150562)
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Keywords | 環状配位子 / 金属錯体 / 触媒 / 脱ハロゲン化 |
Research Abstract |
本研究では、脱ハロゲン化反応において優れた触媒作用を示す環状配位子-金属錯体を作り出すことや環状配位子金属錯体を触媒として用いる新しい脱ハロゲン化反応を開拓することを目的として研究を行った。私は近年、ピリジン環を有する環状配位子-ニッケル錯体1が、比較的温和な条件下で、1-ブロモ-4-tert-ブチルベンゼンのような芳香族臭素化物の還元的脱臭素化に有効に働く触媒となることを見出した。同時に、ニッケル錯体1の窒素原子上に官能基を導入すると脱臭素化反応における触媒活性が著しく減少するが、1のピリジン環第4位に新たな官能基を導入しても、触媒活性は保たれることを明らかにしてきた。そこで今年度は、このピリジン環の第4位に新たな官能基を導入することで、(1)脱ハロゲン化(臭素化)の触媒機能を保ったまま、球状の樹脂やシリカゲル粒子の表面などに固定し、不均一系触媒を合成することを目指した。そして、実際に環状配位子-金属錯体が樹脂に固定化できることを見出した。しかし、触媒反応の効率は低く、さらなる工夫が必要であることも分かった。(2)次に、環状配位子金属錯体を触媒として用い、光を利用した新しい脱ハロゲン化反応を開拓する事を目指した。実際に、触媒である環状配位子-ニッケル錯体を光増感剤であるルテニウム錯体と組み合わせることで、今回初めて、光を利用した芳香族臭化物の脱ハロゲン化に成功した。この成果については、速報誌に掲載が確定し、現在印刷中である。さらに進んで、(3)錯体1の4位にルテニウム錯体のような光感応基を導入し、光エネルギーを利用する新しい脱ハロゲン化触媒を合成も進め、いくつかの新しく興味深い錯体を合成でき、錯体化学討論会などで、報告した。これらの成果については、現在、論文作成中である。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Synthesis of {15-benzyloxy-3,7,11,17-tetraazabicyclo[11.3.1]heptadeca-1(17),13,15-triene} nickel(II) perchlorate and its analogs, and their catalytic behavior in reductive debromination of 1-bromo-4-tert-butylbenzene2010
Author(s)
Mochizuki K., Sugita T., Kuroiwa S., Yamada F., Hayano K., Ohgami Y., Suzuki M., Kato S
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Journal Title
Inorg.Chim.Acta
Volume: 363
Pages: 3151-3157
Peer Reviewed
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