2010 Fiscal Year Annual Research Report
LDHによる排水からの汚染アニオン回収および排ガス中のCO2除去プロセスの開発
Project/Area Number |
20550142
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
井伊 伸夫 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノスケール物質萌芽ラボ, 主席研究員 (50343851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹井 亮 島根大学, 総合理工学部・物質化学科, 准教授 (60314051)
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Keywords | 層状複水酸化物 / LDH / アニオン交換材料 / 水熱鉱化 / 排水処理 / 脱炭酸イオン / レアメタル回収 / 鉱化剤 |
Research Abstract |
1:「LDHの脱炭酸・アニオン交換プロセス」 脱炭酸プロセスの連続処理化およびアニオン交換のモデル実験:酢酸緩衝液を用いた脱炭酸イオン法の改良によって、ごく希薄な濃度の塩素イオンを含む緩衝液によっても脱炭酸イオンが可能になったが、結晶の大型化と組み合わせることにより、連続処理の目処がついた。今回、さらに酸・アルコールの混合溶液を利用することによってより効率的に短時間で塩素イオン型LDHを合成することが可能となった。アルコール溶媒中ではLDHの粉体は扱いやすく処理が容易なため、連続処理化だけでなくバッチ式においても新しいプロセスとして期待できる。 LDHの形状制御:形状制御の方法として、水膨潤性LDHを利用しゲル状物質を作製し、凍結乾燥によって多孔質材料に変化させ吸着材料として利用する方法やナノシート化によって吸着力を増加させる方法がある。今回、新規め水膨潤性LDHを開発し、新規形状のアニオン交換性LDHの開発に使えることがわかった。また、ハードテンプレートを用いることによってLDHの結晶集合体を形成することが可能となった。 2:「鉱化剤で水熱処理する鉱化プロセス」 排水からのレアメタル回収:平成22年度はクロム酸・バナジン酸・モリブデン酸・タングステン酸を含む排水からの金属を酸化物として直接回収するための条件の精査を行った。その結果、排水のpHを酸性領域で精密に制御した水熱処理により消石灰を使わずともそれぞれの元素を酸化物として回収できることを明らかにした。 鉱化処理の連続化の検討:平成21年度まで行ってきた水熱鉱化処理の流通処理についてホウ素含有排水を対象として、処理条件の最適化を進めた結果、処理排水のpHをあらかじめ塩基性にしておくことで消石灰ではなく、塩化カルシウム水溶液により連続処理が可能であることを明らかにした。
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