2010 Fiscal Year Annual Research Report
化学分解機能を有する新規両親媒性化合物の創製と機能に関する研究
Project/Area Number |
20550143
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Research Institution | Osaka Municipal Technical Research Institute |
Principal Investigator |
小野 大助 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 研究員 (30416317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 正樹 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 研究員 (20416316)
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Keywords | 両親媒性化合物 / 界面活性剤 / 化学分解性 / アセタール / ジオキソラン / 二疎水鎖型 / 非イオン性 |
Research Abstract |
タイプ3のポリオキシエチレン鎖を親水基とする酸分解性非イオン両親媒性化合物の合成を行った。中間体とポリエチレングリコール(PEG)との反応条件を検討した結果、一鎖型中間体とテトラエチレングリコールを炭酸カリウム存在下、DMF中でエステル交換反応を行うことにより合成することができた。精製は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより行った。 二鎖型中間体は疎水性が大きいので親水基としてPEG400を用いた。反応条件は一鎖型と同様に行ったが、PEG鎖長が長いため生成物はPEG400が2つエステル交換したものではなく、1つのPEG400の両末端と反応した環状化合物となっていた。 3つの両親媒性化合物の洗浄力試験をJISに準じて行った。JISの指標洗剤は、台所用、洗濯用ともにアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムである。 台所用洗浄力試験は、油脂に対する洗浄力を評価するものであり、試験の結果、どのタイプもJIS指標洗剤と同等の洗浄力を示した。洗濯用洗浄力試験は、土、脂肪酸、油脂、コレステロールなどを綿布に染み込ませた人工汚染布に対する洗浄力を評価するものであり、洗濯温度、洗浄水の硬度を変化させ試験した結果、若干JIS指標洗剤よりも低い値となった。 アミドタイプの両親媒性化合物をスチレンをモノマーとする乳化重合反応に用いた場合、乳化重合反応終了後、酸添加により、目的物ポリスチレンの単離を容易に行うことができた。一鎖型構造の分解性両親媒性化合物を用いた場合、エトキシレートタイプの一般的な非イオン両親媒性化合物よりも生成ポリマーの重合度が約4倍で、分散度が小さくなった。また、塩析ではなく酸分解でポリマーを単離し、さらに両親媒性化合物が残存していないのでポリマー中の金属含有量も少なかった。
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