2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20550145
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 好幸 東北大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (70333797)
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Keywords | RNA / リボザイム / 遺伝子治療 / ドラッグデザイン / 三次元構造 / NMR / メカニズム / 安定同位体構造 |
Research Abstract |
本研究では酵素RNA分子であるハンマーヘッド型リボザイム(HHRz)を用いた遺伝子治療法開発を行った.HHRzによる遺伝子治療ではmRNAにUC、UA、UUのいずれかの配列が無ければ異常mRNAを切断できないが,これがリボザイムの遺伝子治療応用への障害となっている.昨年度までの実験で,三次元構造に基づきリボザイムを改変設計し、上記以外の配列も切断可能なリボザイムの創製を目指した.その結果,予想通りの配列特異性を示すものと予想外の特異性を示す改変リボザイムが現れた.そこで今年度は改変リボザイムの切断可能な基質配列について網羅的に調べることとした.HHRzの基質となるにはUX(X≠G)配列が必要であるが,この2塩基について可能な16通りの配列を用意し,どの配列が改変リボザイムにより切断を受けるかを調べた.改変リボザイムとしてはA15.1をイノシン(I)に変換したAl5.1I変異体,次いで、G8-C3塩基対をC8-G3,A8-U3に改変した変異体を作製した.なお今回作製した改変リボザイムは全てループ・ループ相互作用モチーフをもつ高活性型full-lengthリボザイムである.本実験の結果,天然型リボザイム・改変リボザイムともに,従来提唱されていた「HHRzの基質となるにはUX(X≠G)配列が必要」よりも広い配列を切断可能であることが明らかになった.特にA15.1I変異体に於いては当初の期待通り,CX(X≠U)配列が切断を受けたことに加え,CX以外の基質配列特異性が天然型とは大きく異なることも判り,広い基質配列受容性を有した改変リボザイムの創製に成功した.
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