2008 Fiscal Year Annual Research Report
ncRNAを標的とした機能性アンチセンス核酸の研究
Project/Area Number |
20550147
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
尾崎 広明 Gunma University, 大学院・工学研究科, 准教授 (90211820)
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Keywords | アンチセンス / 修飾核酸 / ncRNA |
Research Abstract |
本研究の目的は、mRNAやncRNAの機能制御のためのアンチセンス核酸の開発である。開発するアンチセンス核酸のRNA認識部位は、5位置換ピリミジンアラビノヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチド(ODN)である。また、そのアンチセンス活性を高めるために核酸切断部位の導入も検討する。本年度はこれらの合成方法の開発と予備的なアンチセンス活性の測定を行った。 1.RNA認識部位の合成:既に報告した方法により5位にトリス(2-アミノエチル)アミン(TAEA)を結合したアラビノフラノシルウラシル誘導体を合成した。この誘導体は適当な保護と3'ホスホロアミダイト化の後、DNA合成機によりODN中の任意の位置に組み込んだ。また、5-メトキシカルボニルメチル-2,2'-アンヒドロウリジンも同様にODNに組み込んだ後、TAEAを反応させるポスト修飾法による機能化も行った。いずれの方法でも効率よく修飾ODNを合成できた。 2.核酸切断部位の合成:フェナンスロリンーポリアミン誘導体、(Phen)2taeaは、2-クロロ-1,10-フェナンスロリンとTAEAの反応により合成した。 3.RNA認識部位と核酸切断部位の結合:合成方法の確認のため、特定の位置にアミノ基を持つODNとスクシンイミド基の付いたリンカーで修飾した(Phen)2taeaの縮合を試みたが、反応効率が低く、自身のDNA切断も見られた。現在、別ルートでの合成を検討中である。 4.アンチセンス活性の検討:RNA認識部位のみでのアンチセンス活性の測定を連携研究員の井上裕介准教授のもとで行った。二種の配列で特定タンパク質の発現量を測定した結果、いずれの配列でもその抑制活性が低いことが判った。現在、蛍光標識化修飾ODNによる細胞内への導入の様子の観察とホスホロチオエートODNによる活性測定を行っている。これによりアッセイ系の確立を計る。
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