2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20550149
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 浩士 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40334544)
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Keywords | 糖質 / グリコシル化 / 自然免疫 / デクチン1 / βグルカン / オリゴ糖 / 多糖 |
Research Abstract |
天然には特異な生物活性を示す多糖が多く存在する。しかしながら、それら多糖は一般に不均一である。さらに多糖を部分加水分解したオリゴ糖は分離精製が困難であり、純粋なオリゴ糖サンプルを入手することも困難でオリゴ糖は分離精製が困難であり、純粋なオリゴ糖サンプルを入手することも困難である。そのため、多糖の生物活性発現に関与する糖鎖構造の解明や、その生物活性発現機構の解明は困難である。本研究では、高度な化学合成技術を利用して、構造明らかな関連多糖の化学合成を行なうことによって、その生物活性発現機構を明らかにすることを目指した。特に、自然免疫活性化作用を有するβグルカン多糖関連オリゴ糖の合成を行なうことにより、その構造活性相関を明らかにすることを目的とした。これまでに、合成したβ(1、3)16糖を固定化微粒子は、デクチン-1結合作用を有することとその微粒子が弱いながらデクチン-1を介した免疫活性化作用を有することを見出している。本年度は、より低分子の結合性リガンドの探索を目的に、オリゴ糖を3量化できるテンプレートの開発を目指した。クリックケミストリーを用いる3量化テンプレートについて検討を行なったが、16糖のような大きなオリゴ糖の3量化は達成できなかった。しかしながら、本研究を検討している中で、末端にアミノアルキル基を有する16糖は、微粒子に固定化した誘導体よりも高いデクチン-1結合作用を有することを明らかにした。さらに、本誘導体は、デクチン-1を介して自然免疫を活性化できることを見出した。本研究成果は、βグルカンがデクチン-1を介して自然免疫を活性化できる直接的な重要な証拠となった。
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